ふるさと納税の注意点まとめ!損をしないために知っておいて欲しいその内容とは。

ふるさと納税
寄付は計画的にね。ふるさと納税の注意点まとめ。損しないために知っておいて欲しいその内容とは。
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前回の記事で、ふるさと納税は今年3月末で返礼割合が高い・換金性が高い特典が廃止されてしまう可能性があることを書きました。

繰り返しになりますが、だからと言って3月末までに全力で控除上限額まで寄附をしてしまうのは危険です。

理由は以下3つ。

  1. 27年度税制改正大綱で示された内容の詳細はまだ決定していない
  2. ふるさと納税ワンストップ特例制度は4月1日以降
  3. 今年に行なった寄附金の控除上限可能額が決まるのは来年の春

今回は以前の記事であまり触れられなかった、3.の「今年に行なった寄附金の控除上限可能額が決まるのは来年の春」について詳しく書きます。

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ふるさと納税における減税の仕組みをおさらい

まず前提として、ふるさと納税によって得られる減税の内訳を振り返ってみましょう。

  1. 所得税 所得控除による軽減
  2. 個人住民税 税額控除(基本分)
  3. 個人住民税 税額控除(特例分)

という3つから成り立っています。

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aとbはふるさと納税制度以前からある従来の寄附金控除で、cの特例分というのがふるさと納税の目玉となる住民税税額控除部分ですね。

そして図中にある注意書き※2の部分「所得割額の1割(*)を限度」が、よく言われている「控除可能上限額」という訳です。
(*)平成27年以降、1割から2割に変更予定

住民税 所得割額の計算

ここで、所得割額ってなに?という方も多いかもしれませんね。

住民税は「均等割額」+「所得割額」の合計となっていまして、東京都を例にすると

  1. 所得割額 (前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額
  2. 均等割額  都民税額(1,500円)+区市町村民税額(3,500円)
    平成26年度から平成35年度までの間、均等割額は都民税・区市町村民税それぞれ500円が加算

via: 東京都主税局<都税Q&A><区市町村税:個人住民税>

という計算式になります。

所得割の計算方法の考え方は所得税とほぼ同じです。

ちなみに、混同されやすい所得控除税額控除は間違わないようにそれぞれ青字/赤字にしてあります。

前年度の所得に応じ6月から徴収開始

サラリーマン(給与所得者)の場合、上記の計算により各自治体で決定した住民税額は4月~5月頃に勤務先に通知されて、6月分の給与から天引き(特別徴収)が開始されます。

(当年中に毎月の給与から源泉徴収されて年末調整される所得税とは大きく違いますね)

ここで大事なのは、

「前年の所得から算出した所得割額の1割を上限に前年のふるさと納税寄付金額が税額控除される」

のは4月~5月頃の住民税額が決定されるタイミングだということです。

つまり、

今年の所得が確定しなければ今年のふるさと納税控除可能上限額は分からない

ということなんですね。

 

ふるさと納税の控除上限を確認するには個人住民税決定通知書の所得割額を見るのがいいと言われていますが、これは目安にしかなりません。

今年の6月に受け取った個人住民税決定通知書から確認できる上限可能額は、あくまで去年のふるさと納税分に対しての上限可能額に過ぎないからです。

サラリーマンなら前年と今年で収入は大きく変わらないだろうということでこのように言われていますが、仕事環境や家庭環境に変化があれば多かれ少なかれ収入や納める税金は変わってくるものです。

去年と今年で所得が変わる人は要注意

373592682_5728b1119cphoto credit: Precision via photopin

ここまでの内容を踏まえると、前年の所得をベースに今年のふるさと納税上限額を考えるうえで気をつけなければならない点が見えてきます。

前年に較べ収入は減らないか、所得控除が増えていないか、の2つですね。

残業代・賞与の減額

去年は仕事も忙しく残業代でウハウハ、ボーナスも例年より増額でガッポリもらったけど、今年は仕事も減って残業もあまりしてないしボーナスも期待できない、

なんてことはありませんか?

もしそうなら、来年の住民税所得割額は去年より確実に減りますので気を付けてください。

もし今年もらった住民税決定通知書を元に今年の控除上限可能額を考えるなら、去年の残業代・ボーナス増額分を差し引いて計算しましょう。

結婚や子供の成長などによる扶養家族の増加

今年になって結婚する人や子供が16歳を迎えるなんて人も注意が必要です。

  • 結婚による配偶者控除:38万円
  • 16歳以上の扶養控除:33万円

所得控除が去年より増えることになるので、その分だけ来年の住民税が減ることになります。

例えば所得税率20%の人が今年結婚した場合、配偶者控除38万円が適用された結果、来年の住民税所得割額が7万6千円も減ることになりますね。

ふるさと納税の控除可能上限額が2割に拡充後の金額でいうと15,200円も減ってしまことになります。

生命保険などへの加入

生命保険に今年になって加入した(またはする予定)の人も、生命保険料控除が適用されることになります。

配偶者控除や扶養控除にくらべ生命保険料控除は最高7万円と決して高くはありませんが、無視するわけにはいきません。

住宅ローン控除は税額控除なので影響なし

さて、では今年中に住宅ローンを組んで家を購入した(またはする予定)の人はどうでしょうか。

生命保険料控除などのように、住宅ローン保有者にも住宅ローン控除(住宅ローン減税)が適用されますよね?

結論からいうと、来年のふるさと納税控除可能上限額に影響はありません

生命保険料控除や配偶者控除の所得控除と違い、住宅ローン控除は税額控除だからです。

 

以下は冒頭に書いた住民税所得割額の計算式です。

所得割額 (前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額

あくまで、ふるさと納税の特例分控除上限額は「(前年の総所得金額等-所得控除額)×税率」の1割(*)を元に算出され、住宅ローン控除もある場合はそれもあわせて税額控除額となるんです。
(*)平成27年以降、1割から2割に変更予定

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用可能!とよく言われる所以はこういったことからですね。

ただ、住宅ローン控除の税額控除額だけで住民税所得割額が0円になるなんて場合は、そもそもふるさと納税分の税額控除ができないので注意しましょう。(そんな人はあまりいないと思いますが。。。)

まとめ

税金て本当に複雑ですね。

ちなみに配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除については、ふるさと納税の控除上限こそ減るもののそれ以上に減税効果は高いので、決して悪いものではありません。

あくまで、今年からそれらの所得控除が適用される場合は、去年のふるさと納税控除上限と較べ今年の控除上限額は減るから注意しましょうということです。

該当する人は色々と計算する必要があったり面倒ではありますが、控除可能上限額以上の寄附をしてしまって損をしてしまったなんてならないよう注意してください。

 

また、お得な特典が無くなってしまう可能性があるからと年度の早い時期に寄附しまくるのも危険。その後に収入が減ったり結婚したりなどがあれば、去年にくらべ今年の寄附可能額は減ってしまいます。

個人的には年間を通してコンスタントに、例えば寄付を4回するのであれば春夏秋冬で1回ずつ寄付をするというイメージが良いかなと思っています。

また、[さとふる-text]やふるなび icon-external-link などのふるさと納税情報サイトを利用して自治体への寄付を行うとMyページから寄付履歴を確認できるので、うっかり寄付し過ぎてしまった!ということが防げます。

お得な特典につられて無計画に寄附しまくることのないよう、じっくり計画をたててふるさと納税を楽しんでください。

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